2008年08月28日

祖父母の部屋

新しいカメラにはモノクロ機能がついている。
それで祖父母の部屋を撮ってみようと思った。
3年前にお爺が逝き、主を失った部屋は
いまや我が家の物置と化しているけれど、
それでもまだ部屋のあちこちに懐かしいモノたちが残されている。

鏡

おばあちゃんの鏡。
お洒落でハイカラな人だったから、
今日はどんなドレスを着ようかしらと悩みながら
鏡にうつる自分の姿をしみじみ眺めていたっけ。

そんなおばあちゃんのバッグが見つかった!
亡くなってからずっと行方不明になっていたもので、
おばあちゃんお気に入りの可愛いバッグだ。
すんごいキラキラ光ってるの。

おばあちゃんのカバン

中には名刺と薬とボールペン。
それと、小銭が出てきた。
250円。
 「おばあちゃん、コレもらってもいい?」
呟いてみる。

お次は本棚。
お爺の世界。

本棚

お爺は本が好きで好きで死ぬほど好きで、
本に囲まれていれば幸せという人だった。
お爺の部屋はまるで古本と古新聞で囲まれたネズミの巣みたいだった。

お爺のカバン

お爺がいつも座っていた椅子と、いつも持ち歩いていたカバン。
お爺はいつもこの椅子で、テレビを見てた。
コーヒー飲んでた。
おばあちゃんの看病をしてた。
ときどき煙草をうまそうにのむ。

カバンの中には手帳と爪切り、住所録。
それから小銭。
また小銭。
こんどは530円。
 「おじいちゃん、コレもらってもいい?」
呟いてみる。
 「いいよいいよそれくらい」
お爺はきっと笑ってそう言う。
そういえば昔は
 「旅の資金にしなさい」
といつも助けてくれたっけ。
本日合計、880円。
小額だけど2人がくれた最後のおこづかいだ。

そして最後に、お爺の時計。
これももうずっとネジを巻いていなかった。
それでもちゃんと動いてくれた。

ネジ巻き時計

時計が時を刻んでいく。
お爺が最後にネジを巻いた、あの日の続きを刻んでいく。
ちくたくちくたくちくたくちくたく・・・。
posted by だだ at 19:22| 家族 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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