2008年09月13日

物語のよろこび

古典の勉強はあんまり得意じゃなかったが、
教科書に載っていた『更級日記』だけは良く覚えている。
ずっと読みたかった本を手に入れた場面が描かれていたからだ。

はしるはしる、わづかに見つゝ、
心も得ず心もとなく思ふ源氏を、一の卷よりして、
人もまじらず、几帳の内にうち臥してひき出でつゝ見る心地、
后の位も何にかはせむ。

娯楽の少なかった平安時代とは違い、
今の日本はテレビや映画やゲームやテーマパークであふれている、
それでも。
本がもたらす喜びというものは。
物語に没頭する喜びというものは、
・・・后の位も何にかはせむ。
菅原孝標女の気持ちがよく分る。
十代の私は、1000年前の女の子に共感できるのが嬉しかった。

そんで私が「几帳の内にうち臥して」読みふけっていたのは、
『20世紀少年』とか『ハリー・ポッターと死の秘宝』。
そういえば、私の高校時代の担任は
 「いいトシした大人が漫画なんか読んで」
とか
 「子供の本なんか読んで」
とか、平気で見下す人だったけど。
漫画を読んで何が悪い。
子供の本を読んで何が悪い。
良い物語でさえあればいい。
・・・后の位も何にかはせむ。
posted by だだ at 19:14| 本と映画とテレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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