2009年06月08日

ご近所の草花(49)

なんという青さだろう。
初夏の空をぎゅっと集めて咲いた花。
ヤグルマギク。

ヤグルマギク

ヤグルマギクを見ると思い出すのがツタンカーメンだ。
ハワード・カーターがツタンカーメンの墓を発掘したとき
棺にこのヤグルマギクが手向けられていたとか。
まだ青い色を留める花を見たカーターは
 「これは王妃様からの最後のプレゼントだろうか?
  三千年前の人も今の人も、愛する人への思いは変わらない」
と思ったとか。
ロマンチックな話である。

残念ながらツタンカーメンのヤグルマギクはもう残っていない。
だがエジプトの博物館でお会いしたミイラの中には、花輪で飾られているものも多かった。
立派な棺を用意して、ゴージャスな副葬品も入れてもらって。
だけど最後は花なんだな。
人の気持ちをこめるのは、金銀財宝ではなく、花なんだな。
そんな話をしていたら。
現地ガイドが
 「うん、花はね、魔除け」
そっけなく言い切った。
MR.ビーンみたいな顔したエジプト男だった。
 「魔除けか、防虫剤ね」
防虫剤ときたか。
じゃあ、なにか?
ツタンカーメンの棺に手向けられていたのはパラゾールだったのか?
匂いのつかないムシューダか?
もしくはミセスロイドか?
ロマンもへったくれもありゃしない。

そんなわけで。
ヤグルマギクを見るといつも思い出すのだ。
人はいつでも真実を知りたいわけではないと。
・・・まあ、彼のガイドには嘘の情報も多かったから、
パラゾール説もあまりアテにならないのだけれど。
posted by だだ at 23:55| ご近所の草花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。