2010年08月05日

書き損じハガキ

チャイムが鳴った。
男の子が2人、緊張した面持ちで庭先に立っていた。

 「こんにちは。
  南米の子ども達に文房具を送る活動をしています。
  書き損じハガキがあったら頂けませんか?」

中学生か高校生だろう。
夏休みのボランティア活動だと言う。
母が部屋の奥からハガキの束を持ってきた。
少年達が
 「わあ、こんなに!」
と喜ぶほどの枚数だ。
裏には黒々とした墨字で
 『謹賀新年』
とある。
祖父の字だ。
筆ペンで書いたものをコピーしてつくった年賀状。
お爺は、亡くなる前年に
 「年賀状の宛名を書く元気が、もうないでしゅ。
  たくさんつくったのに・・・」
と、しょぼくれていっけ。

お爺の字を宿した年賀状は
子どもたちの手で文房具に変えられ、南米へ行くのだ。
無駄にはならなかったと、お爺も喜んでいるだろう。
 「それは良かったでしゅ」
懐かしい微笑みを思い出した。
posted by だだ at 13:05| 家族 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。