2010年11月07日

失われた楽園

その原っぱは、野鳥の楽園だった。
丈の高い草むらと
『私有地につき立ち入り禁止』の柵に守られていたからだろう。
ヒバリ。
ヒタキ。
アトリ。
カワラヒワ。
そばを通ると
ときどき雛の鳴き声が聞こえてきた。

季節になると、ススキやノギクやハギがきれいだった。
白蝶草の咲きみだれる斜面もあった。

どこからでも見えるのに
誰も見ていない。
どこからでも近いのに
誰も入ることができない。
それは住宅地のまんなかにある、手つかずの自然だった。

ところが、とうとう、『立ち入り禁止』の柵が取り払われた。
鳥たちを守っていた草むらはなぎ倒され
ブルドーザーが入っていった。
大手の電気屋とホームセンターが建つのだそうだ。
チェーン店なんてどこにでもあるのに。

せめて子育てのシーズンでなかったことを喜ぼう。
posted by だだ at 14:33| いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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